2021 年 39 巻 2 号 p. 59-67
深層学習を利用した圧縮センシングの画像再構成は,再構成時間の短縮化と画像の高画質化のいずれにも有効な方法として注目されている.MRIに圧縮センシングを応用する場合において二次関数状の位相変調を利用する位相拡散フーリエ変換映像法を使用すると,再構成像の画質を改善できることが報告されている.そこで,本研究では,交互方向乗数法(ADMM)をCNNで実現したGeneric-ADMM-Netを使用し,深層学習による画像再構成を試みた.画像再構成シミュレーションを行った結果,従来のフーリエ変換を基本とする場合,および反復的再構成を使用した場合よりも,画像の精鋭度,構造保存性,コントラスト保存性のいずれも改善された画像が得られた.本研究により,位相拡散フーリエ映像法を利用した圧縮センシングは深層学習再構成によっても高画質化が図られる可能性が示された.