2021 年 39 巻 5 号 p. 199-205
Whole gamma imaging(WGI)は「検出可能なガンマ線をすべて画像化に生かす」ことを基本概念とした,新しい核医学診断のための画像化技術である.PET にコンプトンイメージングの機能を追加することで,今まで使われてこなかった放射性核種をイメージングに利用できるようになる.このWGIが真価を発揮するためには,PET検出器リングの内側に挿入する散乱検出器リングの高性能化が鍵となる.本稿の前半部では,WGIの原理と,コンセプト実証のための散乱検出器および試作機の開発状況を中心に紹介する.後半部では,陽電子放出に加えて高エネルギーガンマ線を放出する89Zr や44Sc などの核種を有効活用する新しいイメージング手法や,既存MRIをPET/MRIにアップグレード可能なC型Compton PETなど,WGIの応用について紹介する.