核医学における多核種撮像技術は,個体レベルでの複数分子の動態を同一座標,時間軸上で観測することを可能にするため,PET(positron emission tomography),SPECT(single photon emission CT)診断およびRI(radio isotope)内用療法の定量化において進展が期待されている.本稿では,われわれの提案してきたコンプトンカメラとPETをハイブリッド化する,コンプトンPETハイブリッドカメラの開発の現状について紹介するとともに,アクティブコリメーターを用いた手法,今後のコンプトンカメラの改良および改善技術として複数光子の時空間相関を用いた撮像技術の可能性について紹介する.日本がこの分野を先導し,日本発の新たな核医学診断装置が登場することを期待する次第である.