医用画像診断装置で取得された画像は,病期分類や腫瘍の良悪性鑑別,治療技術や薬剤の評価に利用されている.画像の画素値は,ベンダーや装置,施設,患者,時間への依存性が低く,測定の繰り返し精度や再現性が高いほど,診断指標として有用性が高い.北米放射線学会は定量的イメージングバイオマーカー連合(Quantitative Imaging Biomarkers Alliance; QIBA)を組織し,研究者や医療専門家,製造業者が協力して,定量イメージングと臨床試験や臨床診療におけるイメージングバイオマーカーの使用を推進している.日本では,日本医学放射線学会がJapan-QIBAを組織し,QIBAと連携した活動をしている.これらの中より,本稿では,生体軟組織の粘弾性分布を画像化するエラストグラフィーの標準化に向けた活動について紹介する.