2026 年 44 巻 1 号 p. 31-35
放射光マイクロX線CTは,大強度,平行,かつ単色という放射光の特徴を利用してミクロンオーダーの高い空間分解能で高精細な三次元観察を行うことができる.しかし,一般に計測時間が数分から数時間以上に及ぶため,計測中のサンプル位置変動によって発生するモーションアーチファクトによる像質劣化が問題となっている.本研究では,放射光の平行ビームという特性を利用し,サンプルの回転角度が0°,180°,および360°の投影像から位置変動をマッチングにより検出し,位置変動をソフトウェア的に補正することで同アーチファクトを高速に低減する方法を新たに開発した.本法の原理,放射光マイクロX線CTの概要,数値シミュレーションおよび実計測データに適用した結果について報告する.