2026 年 44 巻 3 号 p. 131-136
Positron emission tomography(PET)の画像再構成においては,物理的な観測データの劣化をモデル化することで,ノイズによる再構成画像の品質の低下を抑えてきた.一方,X線computed tomographyなどの解剖学的画像で頻繁に用いられるtotal variationのようなよく当てはまる画像モデルは知られておらず,最大事後確率推定はあまり用いられてこなかった.しかし近年では,深層学習を用いて画像モデルを構築し,PET画像再構成に組み込む研究が行われ始めている.本解説ではその中から,教師なしノイズ除去法(deep image prior, DIP)を組み込んだ最先端PET装置用リストモードPET再構成と,拡散モデルの汎用性を高めたdeep diffusion image prior(DDIP)を組み込んだPET画像再構成の2つを紹介する.これらを通して,深層学習とPET画像再構成の融合研究の意義と魅力を伝える.