Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
がん診療に携わる医師のスピリチュアルケア研修の効果─無意味を訴える患者に対するコミュニケーションの自信,生きる意味への援助の実践の自己評価,患者に対する態度の前後比較試験─
的場 康徳村田 久行森田 達也宮下 光令
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2021 年 16 巻 1 号 p. 45-54

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抄録

【目的】スピリチュアルケア(SPC)の実践力の習得を目的とした研修の医師での効果を測る.【方法】自記式質問法により,教育介入前,直後,3カ月後,6カ月後に測定.【結果】医師30名が研修を修了.すべての主要評価項目が有意に改善し,その効果は介入6カ月間持続(すべてP=0.0001).スピリチュアルペイン(SPP)を訴える患者とのコミュニケーションの自信が高まり(6カ月後の効果量(Effect Size=1.3),SPCの実践の自己評価が高まり(ES=1.2),SPPを訴えられたときの無力感が軽減し(ES=0.8),SPCの経験を肯定的に捉えるようになり(ES=0.8),SPPを訴える患者にすすんで関わりたいと思うようになった(ES=0.4).96〜100%の医師が,SPCの概念理解と実際にSPCの方法を知ることについて本研修が「とても役に立った」または「役に立った」と評価した.

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© 2021日本緩和医療学会
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