働き方改革が叫ばれ,制限労働時間内での成果達成がこれまで以上に必要である。このため本論文では,全体最適を図り,一定時間内でのキャッシュの最大化,すなわち時間あたり採算性を意識した経営手法であるスループット会計に着目する。海外では製造業のみならず金融機関でもスループット会計の適用事例が存在するものの,邦銀等での事例は皆無である。邦銀等の金融オペレーションでのスループット会計は,スループット算出が比較的容易である反面,導入には強いリーダーシップが必要となる。業務効率化が必要な今こそ,金融機関の金融オペレーションでのスループット会計導入が必要であり,有効であることを確認する。