2016 年 9 巻 1 号 p. 57-68
防衛調達においては,競争によって価格を導出できない品目が多く,このような品目については,原価計算によって契約価格を算定することとなる。原価計算に基づき契約価格を算定するためには,官民間での原価情報の透明性の確保が重要な要件となる。ところが現状では,こうした原価情報の透明性の確保が十分に果たされているとはいいがたい。このような状況を踏まえて,本稿では,現状の問題点を明確にし,一般産業界における企業間の原価開示等に関わる先行研究などから知見を得ながら,官民間の原価情報の共有について議論を行った。また,防衛省において現在検討されている,コスト・データベースの潜在的な役割期待に関しても併せて議論を行った。