理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
一側前庭神経領域への経頭蓋直流電流刺激が立位姿勢に及ぼす影響
─開閉眼による違い─
岡 真一郎後藤 純信矢倉 千昭曽田 武史田原 弘幸
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2013 年 28 巻 5 号 p. 669-672

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抄録

〔目的〕経頭蓋直流電流刺激(tDCS)を行うことで一側前庭小脳系の機能を一過性に抑制し,前庭小脳系が立位姿勢に与える影響を検討する.〔対象〕健常成人男性10名.〔方法〕tDCSは,頭頂部(Cz)に陽極,右乳様突起に陰極を接地し,2 mAのtDCSを10分間通電するものとした.開眼,閉眼時における足底圧中心(COP)の変化を,tDCS前からtDCS開始後5分,tDCS終了直後(tDCS-off),tDCS後15分,30分および60分の計6回計測した.〔結果〕COPは,閉眼時の総軌跡長の延長はtDCS-offまで,後方への変位がtDCS後15分まで見られた.一方,開眼時にはそのような変化を認めなかった.〔結語〕Czと一側乳様突起へのtDCSは,一過性に前庭小脳系の機能を抑制する.

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© 2013 by the Society of Physical Therapy Science
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