建築用ポリウレタン系シーリング材の耐候性評価技術に関し,化学組成に基づく劣化評価法の検討を行った.屋外の劣化現象を再現できる促進劣化条件を検討した結果,80℃,相対湿度5%RHの条件が最適であり,その促進劣化倍率は屋外暴露の約16倍であることが分かった.架橋構造を有するポリエーテル系ポリウレタンシーリング材の化学的な劣化評価を行うために,可塑剤,未架橋ポリウレタンおよび架橋ポリウレタンの組成の定量的な分析フローを確立し,屋外暴露試料と促進劣化試料の劣化状態を評価した.その結果,ポリエーテル系ポリウレタンシーリング材の劣化は,主に可塑剤の減少と架橋構造が分解した未架橋ポリウレタンの増加であることを明らかにした.さらに,劣化が進んだ試料をPy-GC/MS測定すると,ジイソプロピルエーテルの生成量が増加することが分かり,ポリエーテル部の酸化開裂が進行することにより架橋構造が分解することが示唆された.