抄録
アルミナ・カーボン耐火物においてアルミナの粒度構成を変えたときの品質の変化を調査するため,同じアルミナの粒度構成をもつアルミナ単味の耐火物およびアルミナ・カーボン耐火物を試作し,両者の品質を比較した.原料は0.3 mm以下の電融アルミナ,仮焼アルミナ,鱗状黒鉛を使用し,アルミナの粒度構成はアンドレアゼン粒度分布に基づいて決定した.アルミナ単味の耐火物ではアルミナの粒度構成をよく反映した品質となるのに対し,アルミナ・カーボン耐火物の品質は,アルミナの充填に対する黒鉛の影響や,バインダーによるカーボンボンド形成の影響を受け,アルミナ単味の品質とは大きく異なる傾向を示した.