マテリアルライフ学会誌
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総説
抗菌剤の特性と抗菌メカニズム
石田 恒雄
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2011 年 23 巻 1 号 p. 21-32

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抄録

抗菌剤の性質と抗菌メカニズムが,抗菌剤の種類とその特性,金属イオンと生体細胞の相互作用,光触媒による抗菌・防黴作用,そして微生物における抗菌薬と細菌との生体内反応から議論された.それらの結果は,最初に,抗菌剤の金属イオンや有機アミノ基などの攻撃活性種が,細胞壁・細胞質膜・外膜を損傷・破壊し,次いで,細胞内部に侵入し,細胞内物質の溶出が起こり,そして,細菌細胞の死に至らしめる.その際に,反応性の高いフリーラジカルの生成,非ラジカルとして過酸化水素などの生成が生体内に起こり,それらの生成した活性酸素種が微生物細胞の細胞質膜を阻害し,強力な酸化殺菌効果が得られる.抗微生物作用の一次作用点が抗菌薬と微生物細胞との反応によって生じる.

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© 2011 マテリアルライフ学会
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