本研究では,樹脂の促進劣化を想定した簡易的な劣化予測手法の確立を目的として,初期酸化を高感度に検出可能な化学発光測定装置を用いて,樹脂の劣化評価方法の検討を行った.試料には,化学発光装置内や恒温槽内で劣化度を調整したポリプロピレンを用いた.劣化樹脂中に蓄積した過酸化物の相対量を把握することで,樹脂の劣化度を評価する手法の検討を行い,この手法により評価した過酸化物蓄積速度を用いて劣化予測を行った.130-150°Cにおける過酸化物蓄積速度から60°Cにおける劣化の進行度合いを予測したところ,従来から利用されている酸化誘導時間による予測よりも精度の高い予測が行えた.