マテリアルライフ学会誌
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解説
元素間相溶性を駆動力とした前例のない結晶構造の安定化
松本 憲志寺西 利治
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2024 年 36 巻 2 号 p. 44-49

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抄録

幾何学的に考えられるほとんどの結晶構造は実在しておらず,限られた構造のみ利用可能である.しかし,結晶構造は材料の特性を大きく左右するため,利用可能な結晶構造の制限はあらゆる応用面でボトルネックとなる.そこで,我々は元素間の相溶性に着目し,熱力学的に不安定な結晶構造をもつ合金相の安定化について検討した.その結果,これまで熱力学的に安定なL12(Cu3Au型)構造およびA1構造のみ報告例のあるFePd3合金に対し,Feとは固溶できないがPdとは固溶可能なInを微量導入することで,前例のないZ3型構造(L10型PdFePd 3原子層とPdIn規則合金 1原子層が交互積層した構造)を安定化することに成功した.また,三元素がナノレベルに混合した単分散ナノ粒子を用いたことが,Z3型構造の形成を可能にしたことも確かめられた.本研究を基に結晶構造ライブラリーが拡張され,様々な物理的・化学的な特性の劇的な変調に貢献できると期待している.

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