マテリアルライフ
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ニトリルゴム (NBR) 表面近傍におけるオゾン劣化
原 孝美小川 俊夫大澤 敏中村 昭二吉田 安徳峯岸 敬一
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1998 年 10 巻 2 号 p. 93-101

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抄録
本研究はNBRがオゾン劣化する過程についてミクロに, かつ詳細に解明することを試みたものである。まず, 劣化表面をミクロトームを用いて何層にもスライスし, 発生したクラックの状態及び表面元素の割合の変化を調べた.クラックは応力方向に垂直に入っており, オゾン特有といわれているクラックの入り方であった.劣化はオゾン濃度の上昇と共に著しく激しさを増した.しかしながら, これは短時間にごく表面でしか起こらないことが確認された.ESCAの表面分析結果より劣化と共に酸素原子の増加が認められたが, 炭素原子の割合は減少した.窒素については増加の傾向にあり, 劣化と共に表面の化学組成にかなりの変化が生じていることが明らかとなった.
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