抄録
種々のセルロースパルプ (機械パルプ (TMP), 針葉樹晒サルファイトパルプ (NBSP), 針葉樹晒クラフトパルプ (NBKP), 針葉樹未晒クラフトパルプ (NUKP) 及びろ紙) の劣化を主として化学発光法により検討し次の結果を得た.化学発光挙動は供試パルプの種類により著しく異なり, 発光強度は次の順で減少した.TMP>NBKP>NBSP>NUKP>ろ紙.晒系の白色パルプ (NBSP, NBKP, ろ紙) の化学発光強度は光照射時間と共に増加したが, 未晒系の着色パルプではそのような傾向は認められなかった.これは紫外・可視スペクトルの測定結果から着色物質により放射光が遮蔽・吸収されるためと考えられる.