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本研究では、春季に採取した未成魚マサバ耳石の酸素安定同位体比を分析し、経験水温履歴の推定を行った。伊豆諸島周辺海域から黒潮続流域より採取したマサバの耳石標本について、耳石全体を用いた酸素安定同位体比(δ18O)分析を実施した。耳石分析の結果、仔魚期は耳石の成長とともに耳石δ18Oが減少するのに対し、稚魚期では耳石成長とともにδ18O が増加することがわかった。孵化後約30日までの耳石日輪成長幅についてクラスター解析を実施した結果、6 個のクラスター(CL)に分類できた。高成長を示したCL-5,6 と低成長を示したCL-1,2 を比較すると、CL-5,6 の方が高いδ18O を示し、より低水温を経験していることが示唆された。つまり、初期成長が良い個体は成長が良いためにより積極的に低水温域に侵入し、高栄養価の餌料を得ることができるという正のスパイラルが働いていることが示された。