マテリアルライフ学会誌
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触媒活性揮制効果によるポリプロピレン-block-ポリ (エチレン-co-プロピレン) の高分子量化
山贋 幹夫高橋 雅人松耀 哲也寺野 稔
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2001 年 13 巻 1 号 p. 32-38

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抄録
工業的に広く使用されているジエステル系触媒を用いたポリプロピレン-block-ポリ (エチレン-co-プロピレン) [PP-b-(PE-co-PP)] の合成を目的として, ストップト・フロ一法を用いたプロピレン重合を行ない, 成長ポリマー鎖の平均寿命の明確化を行なった.その結果, 少なくとも1.2s程度までは, 連鎖移動反応, 活性点の変化が殆ど無視できることが分った.得られた結果を基に, 各種外部ドナーの存在下, PP-b-(PE-co-PP) の合成を行ない, 活性および高分子量化に対する改善効果について検討した。その結果, 高分子量化に最適な外部ドナーは, ジイソプロピルジメトキシシラン (DIPDMS) であることが分かった.さらに, DIPDMSの過剰な添加および助触媒添加量の低減により, 触媒の活性を低下させつつも, 極めて高分子量のPP-b-(PE-ca-PP) (-Mw=1, 400, 000) を得ることに成功した.これらの結果は, 触媒活性の低下といった触媒機能に対する負の効果が, 結果的に高分子量化に対する機能の強化をもたらしたことを明示しており, 今後PP-b-(PE-co-PP) の広範な分子量制御が実現するものと考えられる.
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