マテリアルライフ学会誌
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新規光安定化剤ヒンダードアミン末端修飾型ポリエチレンの合成とその光安定化能の評価
中谷 久之開発 信和劉 柏平寺野 稔飛田 悦男
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2001 年 13 巻 4 号 p. 185-189

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抄録
代表的な光酸化防止剤の一つであるヒンダードアミン酸化防止剤(HALS)は, 自己再生能を有するために長時間酸化防止効果を失わないという優れた特徴を持ち, 盛んに研究が行われてきた.近年では特に滞留性を高めるためにHALSの高分子量化が研究対象となっている.本論文ではポリエチレン(PE)の末端をN-methyl-2, 2, 6, 6-tetramethyl piperidyl methacrylate(TMPM)で修飾した新規な高分子量型HALSであるヒンダードアミン末端修飾型ポリエチレン(PE-TMPM)の合成を行ない, これを高密度ポリエチレン(HDPE)に添加してその光安定化効果について検討した.その結果, PE-TMPMは低分子量型のTMPMに比べて長時間, その安定化性能を維持し, 本研究のポリマー末端修飾によるHALSの高分子量化手法がHALSの滞留性を高めるのに有効な方法であることが明らかとなった.
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