抄録
ポリプロピレンインパクトコポリマー (PP) の熱劣化過程における過酸化物価をヨウ素法による自動電位差滴定法を用いて測定した. その結果, 検出限界が2meq.kg-1 (mmol・kg-1) と従来の手動滴定法及びUV法に比べて優れていることが分かった. この方法を用いて, 130℃で熱劣化させた酸化防止剤を含むPP試料の過酸化物価を測定した. その結果, 劣化初期では過酸化物価は検出されなかったが, 酸化防止剤が消費された直後に急増し始め, 同時に分子量は急激に低下し始めた. よって, この方法はPPの熱劣化度及び耐熱性の評価に有効であることが分かった.