抄録
フロンの分解時に生成するスラッジの建材への利用を検討し, 次の結果を得た. スラッジの置換率が高くなると粘性が増しモルタルの混和が離しくなったが, 約10%まで十分可能であった. コンクリート製品の曲げ強度, 圧縮強度とも養生により向上した. スラッジ置換率10%時の曲げ強度は, 無置換の標準砂のみの場合とほぼ等しいが, 20%以上では著しく低下した. しかし, スラッジ置換による圧縮強度の低下は比較的少なかった. 水洗・乾燥スラッジ系の曲げ強度, 圧縮強度とも, 湿潤・原料スラッジと乾燥スラッジ系に比べて優れていた. スラッジの置換により耐硫酸性および耐収縮性が向上した. したがって, スラッジはインターロッキングブロックなどの建材の一部として利用できることが明らかになった. これにより廃棄物を全く出さないフロン分解システムが完成された.