抄録
FRP用塗料等に用いられるゲルコートの主成分である不飽和ポリエステル樹脂表面に紫外線照射した際の形態変化について顕微鏡的評価を行った.具体的には, イソ系不飽和ポリエステル樹脂とオルソ系不飽和ポリエステル樹脂とを比較し, 表面近傍について紫外線照射時間ごとの形態観察を行い, 表面粗さや樹脂厚みを測定することにより, オルソ系樹脂よりイソ系樹脂の表面劣化が少ないことを定量的に把握した.両者はエステル結合位置以外には化学構造に違いがなく, 動的粘弾性から知られる平均架橋密度も同等であったが, 紫外線照射により性じた表面凹凸やバルク樹脂破断面の凹凸はオルソ系樹脂の方が大きいことが知られた.
