抄録
木内石亭は江戸時代中期(18世紀中・後期)の弄石家(地質標本収集者)である.石亭は奇石と呼ばれていた鉱物・岩石・化石を収集,分類し,その記録を著した.本研究では,石亭が記録した宮崎県内(当時は日向国とよばれた)で産出する奇石とその産地について紹介する.石亭の著作物には18種の奇石(水晶,硫黄,金・銀・銅,軟体動物・十脚甲殻類・魚類の化石,コンクリーションなど)が産出することが記録されている.これらの標本と産地には現代でも知られているものが多く,少なくとも18世紀中期には認識されていたことが明らかとなった.