宮崎県総合博物館研究紀要
Online ISSN : 2759-0925
Print ISSN : 0287-9425
館蔵「備前焼の角徳利」
二宮 満夫
著者情報
研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2025 年 45 巻 p. 49-55

詳細
抄録
江戸時代,福山藩の御用酒であった鞆の保命酒に用いられた容器のひとつに備前焼の角徳利がある.鞆の特産品であった保命酒は,北前船などの多くの商船によって全国各地に流通していたことが知られている.本稿では,宮崎県内で確認できる伝世品および出土品の備前焼の角徳利について概観し,19世紀第2四半期から第3四半期に製作されたものであること,瀬戸内地域と取引のある拠点的な商業港を通じて県内に持ち込まれたことを示した. また,限定的ではあるが,宮崎県内における元来の所有者が,贈答用として珍重された保命酒を求めた商人の町や拠点的な商業港の住人,あるいは飫肥藩上級家臣といった富裕層が中心であったと考えられ,北前船だけに限らない海運を介した保命酒の流通があったことがわかった.
著者関連情報
© 2025 宮崎県総合博物館
前の記事 次の記事
feedback
Top