抄録
医療機関や個々のスタッフが,提供する医療の付加価値を向上させ,顧客(患者)満足度を高めようとするにあたり,ホテル等における顧客対応ノウハウやマーケティング発想は大いに参考になります。本稿でも,ホテルスクール方式の対人コミュニケーション指導ノウハウの一端をご紹介します。ただし医療機関においては本来,「サービス」というよりもむしろ「ホスピタリティ」,すなわち「協働的な相互関係に立脚した顧客対応」を目指すよう,ベクトルを設定するべきなのです。それぞれの病院,あるいは理学療法科を,「おもてなしすてむ(ホスピタリティを基盤とするサービス提供システム)」として捉え直し,「内部顧客」の概念も重視しながら,整合性のあるホスピタリティを体現して行かれるよう提言します。