2018 年 29 巻 1 号 p. 21-26
現在,理学療法士養成校の定員は13,000人を超え,多くの高校生が理学療法士を目指している。本来であれば高校までのキャリア教育において,理学療法士の仕事について十分な知識を得て,自身の将来像と重ね合わせる作業が必須なはずである。しかし,学生のうち少なくない者たちが,十分に自己の職業観を省察できないまま,周囲からの勧めにより進学を決めているという実態もある。本論では,十分に目的意識が形成されていない学生を念頭に,入学前からの職業教育,初年次教育におけるキャリア入門・教育の在り方について,理論的背景を含めて議論する。