2018 年 29 巻 1 号 p. 46-51
本研究の目的は,運動療法プログラムとして頻用されるステップ運動においてステップピッチおよび手すりの有無を条件として呼吸循環応答ならびに運動強度の変化を明らかにすることとした。対象者は健常若年女性18名であり,心肺運動負荷試験とステップ運動を実施した。ステップ運動の条件は,ステップピッチ条件3種類(60・90・120 steps/min)と手すりの有無による2条件の計6種類で無作為に実施した。結果,ステップピッチの増加に伴い運動強度は有意に増加し,最大でも無酸素性換気閾値レベルあったが,手すりの影響は認められなかった。よって,ステップ運動は回数依存性に運動強度が増大し,ステップピッチによって負荷量の調整が可能であると考えられ,目的に応じて汎用できるプログラムであることが示唆された。