理学療法の歩み
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特別寄稿
理学療法にとっての健康とは何か
藤澤 宏幸
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2026 年 37 巻 1 号 p. 3-10

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抄録

理学療法の最終的な目的は対象者の幸福感と生活の質を高めるという“健康の増進”にある。しかし,団塊世代が後期高齢者となる2025年を迎え,日本は本格的な多死社会となり,健康の意味があらためて問われようとしているのは間違いない。平均余命は延伸したが,その分,体力が低下したなかで,死を迎えるまで時間も長くなった。健康寿命という概念が2000年に世界保健機関により定義され,健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間とされた。逆にいえば健康は日常生活が制限されない状態ということになる。しかし,本当にそれは健康なのであろうかという疑問も湧いてくる。歴史的にみれば,1948年の世界保健機関の健康の定義に始まり,徐々に健康は目的ではなく目的の行為を遂行するための能力として捉えられるようになってきた。本論では,健康に対する認識の歴史を踏まえ,健康の定義および理論について概観したのち,最終的には理学療法にとっての健康とは何かについて考えてみたい。

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