本論文は、高さ200mの気象観測鉄塔の6高度 (200m, 150m, 100m, 50m, 25mおよび10m) に設置されている超音波風速計を使って、強風時の風速の3成分の測定を行い、解析した結果について述べたものである。
高さ200mまでの風速の鉛直分布はほぼ0.3のべき法則で近似でき、摩擦速度は50mの高さまでほぼ一定で、それ以上の高度では高さの-0.3乗に比例して減少していく傾向がみられた。この傾向は風速の標準偏差の高度分布にも認められた。
σu/u*, σw/u*の値は200mの層全体にわたってほぼ一定で、それぞれ2.30および1.52となった。
自己相関関数から求められた風の水平成分および鉛直成分のintegral scaleの高さにはそれぞれZ0.6、Z0.4に比例することが示された。
ガストファクター、(G) は規格化された解析時間 (s/D) (s: averaging time, D: sampling duration) を使って次のように示されることが実験的に確かめられた。