抄録
大気バックグラウンド観測における大気混濁度の測定は、主として簡易型のサンフォトメータにより行われている。このタイプは、コンパクトで安い反面、精度が悪く2~3%以上の誤差があると考えられ、この場合大気混濁度の誤差は10~15%にも達する。より精度のよい大気混濁度を得るために、温度補償や自動測定等の機能を備え、かつ1978年のWMOの基準仕様を満たすサンフォトメーターを試作し、乗鞍において検定を行った。このLangley検定では大気の安定性が求められるが、検定中に大気の消散係数が変化した場合の誤差を計算し、Langley plotの線形性が、特に長い大気路程で行った検定では必ずしも良い検定の指標にならない事を示した。さらに、大気の消散係数が、大気路程あるいは大気路程の2乗に比例して変化する場合には、Lambert-Beerの式を微分することにより消散係数を推定できることを示した。