抄録
気象レーダの降水エコー信号処理において、直線特性受信機を用いた場合のA-D変換における、量子化効果と基準直流設定電圧レベルの偏移を考慮して、実測データとシミュレーションからその測定精度を調べた。
信号処理装置の量子化誤差は、基本的には受信機A-D変換器のビット数により規定される。この場合、信号平均装置における降水エコー変動振幅の平均回数に相当するビット数を上乗せした形で、システムを構成すれば量子化分解能を改善し得ることが分かった。
一方、バイアの値はMTI信号処理方式よりも、Conventional方式で最適設定条件が決まるが、装置の安定度の面からその電圧変動に注意を払う必要がある。
さらに、降水エコー信号振幅の最大値の平均値に対する比についても調べ、シミュレーションの値が2.4に対して、実測値は2.7~4であった。しかし、受信機動作範囲の飽和領域における、両分布による回路応答特性の差異は実用上認められなかった。