Papers in Meteorology and Geophysics
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原著論文
気象研究所大気大循環モデルによる対流圏循環のシミュレーション
第II部 7月の状態の再現実験
鬼頭 昭雄時岡 達志
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1986 年 37 巻 3 号 p. 145-168

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抄録
 気象研究所大気大循環モデル (MRI・GCM-I) による7月の対流圏循環の再現実験を行なった。モデルはTokioka et al.(1985) と同じ5層モデルである。
 モデルは海面気圧、循環場、発散風系や降水等の大規模分布の基本的特徴を良く再現しているが、北半球高緯度帯において系統的な観測との相違を示す。ユーラシア大陸北部やカナダ北部において、蒸発量や降水量が多過ぎ、観測では見られない低圧部が70°N付近に現われている。湿った地面状態、周りの海からの水蒸気の供給、浅い積雲対流生成に好都合な条件や観測より安定度の小さい成層状態が、この領域での雨量が多過ぎる事の原因として挙げられる。南半球では、亜熱帯高気圧、南極の周りの低圧帯や対流圏中層の二重ジェット構造等を良く再現できている。速度ポテンシャルと発散風の場から熱帯域での二つの循環系—太平洋西部と太平洋東部の東西循環及びインド洋上での北東方向から南西方向への循環—が明らかに見られる。非断熱加熱分布の特徴についても示す。
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© 1986 気象庁気象研究所
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