抄録
1990年から始まった雲仙岳の噴火および1991年5月からの溶岩ドーム形成に先行して、千々石湾と雲仙岳周辺で群発地震が発生した。火山活動の監視指標として、1984年から1991年の地震から雲仙地域のコーダQ-1値の変動を調査した。雲仙岳山項から、それぞれ、4kmおよび40kmに位置する雲仙岳測候所と長崎海洋気象台の30Hzサンプリングの地震記録から、等方1次散乱近似を仮定して、コーダQ-1値を計算した。雲仙で観測されたコーダQ-1値は、2~3Hzの低周波部分で周波数依存性を示さず、雲仙岳周辺の非弾性的な媒質を反映していると考えられる。長崎と雲仙で観測されたコーダQ-1値、その値の分散および周波数依存性には、1984年から1991年の期間では顕著な時間変化は見られなかった。