Papers in Meteorology and Geophysics
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原著論文
1978年以後の日本上空対流圏における CCl2F2 及び CCl3F の濃度分布
廣田 道夫牧野 行雄佐々木 徹堤 之智財前 祐二池上 三和子
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1997 年 48 巻 1 号 p. 19-24

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抄録
 1978年以来、日本上空 (24-44°N, 128-144°E) で対流圏空気試料の採集を行い、GC-ECD法により CCl2F2 及び CCl3F の分析を行った。
 対流圏の平均体積混合比は1990年1月時点で CCl2F2 が 453ppt、CCl3F が 272ppt である。1978年から1990年までCCl2F2 及び CCl3F の平均体積混合比は一定の割合で増加していた。それぞれの増加率は CCl2F2 が 16.2±3.5ppt/年、CCl3F が 10.3±2.0ppt/年であった。1990年以来、CCl3F の混合比の増加率は明らかに減速した。CCl2F2 の混合比の増加率も1993年以来減速しているように見える。これは CCl2F2 や CCl3F の放出が削減されたことに対応している。
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© 1997 気象庁気象研究所
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