Papers in Meteorology and Geophysics
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原著論文
雲仙岳における火山性地震のマグニチュード決定の試み
橋本 徹夫山里 平宇平 幸一清野 政明
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1997 年 48 巻 1 号 p. 25-29

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抄録
 雲仙岳測候所に設置した長周期地震計 (To=10s) の記録に坪井の式を適用して雲仙岳周辺で発生する地震のマグニチュードを求めた。また、規模の小さい地震については、雲仙岳測候所A点の火山用短周期地震計 (To=1s) の上下動振幅からマグニチュードを求める式 M=logAz+1.73logΔ-0.46を得た。雲仙岳の山頂付近で発生した地震のマグニチュードにこれらの式を適用したところ、1991年の溶岩ドーム形成初期に最大M2程度の地震があり、別の時期のものはM1程度であったことがわかった。また、溶岩ドーム形成初期の地震活動には、規模別頻度分布にM0.2付近とM1.1付近にピークを持つ。M1.1にピークを持つ地震群は、溶岩ドーム形成期の陥没構造形成に対応する地震活動であると推定される。
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© 1997 気象庁気象研究所
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