Papers in Meteorology and Geophysics
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北海道利尻島で2006年12月から2007年3月まで観測された大気中二酸化炭素とオゾンの濃度変動
吉川 久幸深澤 雄亮谷本 浩志松枝 秀和澤 庸介和田 晃
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2008 年 59 巻 p. 31-38

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抄録

   2006年12月から2007年3月まで北海道利尻島(45°07′N, 141°12′E)において大気中CO2とO3の濃度測定を実施した。観測されたCO2とO3濃度は数分から数ヶ月の時間スケールで変動しており、12月から2月中旬までの期間CO2濃度はO3濃度の変動と逆相関を示した。この逆相関はユーラシア大陸の高緯度地域及び利尻島での土壌呼吸によるCO2排出と地表でのO3分解消失によって引き起こされるものと考えられた。12月から2月中旬までの逆相関とは対照的に、2月中旬以降大気中CO2濃度とO3濃度は、時折正相関を示した。これら高濃度のCO2とO3は日本及び朝鮮半島の人為起源による排出・輸送の影響を受けていることが示唆された。

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© 2008 気象庁気象研究所
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