日本の南西部にある南海トラフ沿いでは、大規模な地震が繰り返し発生しており、近い将来次の地震が発生すると考えられている。これらの地震活動はフィリピン海プレートのユーラシアプレート下への沈み込みに関係しており、プレート境界の固着は大地震の源となり、その周辺に地殻変動をもたらす。したがって、この地域の地殻変動を理解することは、プレートの結合状態の変化を検出し、巨大地震を理解・監視するために重要である。ここでは、陸域観測技術衛星フェーズドアレイLバンドSARのデータを用いて、干渉SARの時系列解析を行った結果を紹介する。データは2007年から2010年までと2014年から2022年を収集し、アセンディング軌道とディセンディング軌道の両方について解析した。結果的に、プレート沈み込みに伴う広範な地殻変動は、前期の解析では見られず、後期の解析で見られるようになった。この理由は、衛星軌道の精度の違いによるものと考えられる。