1957年12月12日から13日にかけて日本を通過した, スコールラインを伴つた前線の解析を,6時間々隔の高層データを用い行なつた。寒冷前線の前面にスコールフロントが解析され,そのまわりでは直接循環が認められた。寒冷前線の前面は強い南よりの下層ジエツトが見られた。運動方程式の各項の大きさの吟味を行なつたところ,南よりジエツトの強化は主に水平移流の項によることが示された。
実測風は数時間のおくれをもつて,地衡風に追従し,そのことが強い非地衡風成分をもたらした。
実測雨量パターンは凝結による潜熱から計算したパターンとよく一致した。