Papers in Meteorology and Geophysics
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球形風向計の風洞実験
佐貫 亦男木村 茂馬場 素生
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1962 年 13 巻 1 号 p. 22-27

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抄録

2方向風向計の問題に関連して,球を使うことの提案があつたので東京大学の1.5m風洞で実験してみた。ところが振動の減衰が3.5m/s以下の風速では,通常の風向計にくらべてはなはだしく悪くないが5~8m/sでは極端に悪いことがわかつた。もう一つの欠点は各風速を通じて真風向に落ちつかず,片側10° 程度の残留振幅がいつまでも続くことである。別の風洞実験で求めた球の抵抗係数を使つて,振動実験結果を解析してみると風速5~8m/s(レイノルズ数にして平均5×104)では,抵抗値が1/2~1/3ぐらい低下していることになる。いずれにしても,球形風向計は思わしくない形式である。なお本文には,通常の風向計の空気力学的ならびに振動特性をまとめてある。

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© 気象庁気象研究所
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