抄録
数値解析の方法は,運動量,エネルギー,水蒸気等の収支に対して役割の大きい要素を見出し,いろいろな気象現象の維持あるいは発達の機構を研究するのに使われる。また,大気中のまさつ力とか熱供給等の未知の要素の研究にも利用できる。
ここでは,運動量,運動エネルギー,熱エネルギー収支の数値解析の方式を一貫的に検討した。また,渦動ストレス,運動エネルギーの渦動散逸,顕熱の渦輪送などの渦動のはたらきの見積り方を論じた。これに関連して,資料の時間々隔の問題も考察した。通常の場合は,大体300kmの観測網について6時間間隔で整理された資料を用いて解析を行なうのが最も望ましい。