抄録
まず余震回数の減少を表現するため宇津等によって提出されている改良大森公式n(t)=A/(t+c)pは,パラメーターが多いという難点はあるが,余震活動の全期間を表現するのに,第1近似として最もよいものであることを指摘し,次にこの公式に表われるパラメーターcは本震にともなう破壊の継続期間に関係する,したがってまた,その破壊の大きさ複雑さを表わすパラメーターと考えられることを指摘した。
更にこの研究の第3報で報告した,たとえば新潟地震の場合における様な,余震活動の前期と後期における震央分布の集中性とランダム性という相違は,時間分布における初期の大余震集中,および千秋,ロムニッツ等によって指摘されている後期のランダム性と密接に関係していることを指摘した。