1968 年 19 巻 3 号 p. 437-445
先ず,余震活動の時間分布および空間分布は,互いに密接に関連し合っている事実を指摘した。次に,地震活動の時間間隔分布において指数法則にしたがう確率過程が,ボアソン過程と全く同一のものであることを強調し,この立場から,次の如き結論を得た。
(1)本研究のこれまでの過程(第III,IV報)で明らかにしてきた余震活動の後期における時空間分布のランダム性は,時間間隔分布の立場からも確められた。
(2)他方,改良大森公式n(t)=A/(t+c)pの常数cが主要な役目を演ずる余震活動の初期においては, 本研究第III報において見出された空間的集中性に対応して,時間的にも集中性を示すことが,時間間隔 分布の立場から見出された。