抄録
シイタケは日本のきのこ産業の要となるきのこで、そのゲノム解読は基礎、応用の両面から強い関心が向けられていたが実施されてこなかった。このため、我々は、近年開発された低コスト高効率DNAシーケンスを可能にする次世代DNAシーケンサーを利用してシイタケのゲノム解読を実施した。ゲノムDNA試料は、市販シイタケ品種・秋山-A567を購入しプロトプラスト技術で脱二核して得た一核菌糸体(A567-pm-17)から調製した。次世代シーケンサーはillumina社の装置を用いた。取得データの型はnon-paired readsで、鋳型DNA当たりの塩基配列長は35b(塩基)であるが、ゲノムサイズ33Mb(メガ塩基)として、ゲノム長約30回分に相当するシイタケの塩基配列を解読した。次に、ゲノムのde novoアセンブルは、東京工業大学のスーパーコンピューターTSUBAME上で、公開されているソフトvelvet, edena, ssake, sharcgus, abyss, vcakeを用いて行った。その結果velvetでhash値21が最適の結果を示した。hash値21での総contig数は143,401本(総塩基数36.2Mb)で、contig長の最大は10,354b、最小は41b、平均値は252b、被覆深度(cov)の最大は297.8、最小は1.05、平均値は9.72であった。また、N50値は572b(contig数、約16,700)で、1000b以上のcontig数は5,738本であった。Blast検索は、取得contigに公開されているシイタケやオオキツネタケのDNA塩基配列と高い相同性を示す塩基配列が多数含まれることを示した。contig長とcov値の散布図は、cov値18、32で区切れる3群性を示し、cov値32以上のcontig(220b以上)の多くはミトコンドリアDNAと高い相同性を示した。