日本菌学会大会講演要旨集
日本菌学会第53回大会
セッションID: A32
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野外および接種条件下におけるニセアカシアの菌根共生の実態
*吉村 侑子岩瀬 剛二
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抄録
 マメ科ニセアカシア(Robinia pseudo-acacia)は、街路樹や庭木に植えられる北米原産の落葉高木で、肥料木や砂防等の用途に用いられている。またこの植物は、外生菌根とアーバスキュラー菌根を同時に形成することでも知られる。そこで今回は、ニセアカシアの菌根共生の実態を明らかにすることを目的として、鳥取市湖山町の鳥取大学農学部湖山の森敷地内でニセアカシアの菌根形態を調査するとともに、両タイプの菌根菌を室内で接種して形成される菌根を調べ、さらにDNAによる菌根菌の種同定を試みた。
 野外調査地からのサンプリングは、湖山の森敷地内からランダムにニセアカシアの根を採集することで行った。サンプルは実験室に持ち帰り、丁寧に土壌を取り除いた後定法に従って菌根の形態観察及び菌根からのDNA抽出を行い、分子生物学的手法を用いて同定を行った。また、室内実験では感染源である外生菌根菌及びアーバスキュラー菌根菌としてScleroderma sp. とGlomus intraradicesを用いた。実験パターンは、外生のみ接種、アーバスキュラーのみ接種、両方接種、そして何も接種させないものの4パターンに分けた。さらにこれらのうち半数には約1か月に1度の間隔で施肥した。
 結果、野外調査では外生菌根菌及びアーバスキュラー菌根菌を検出できたが、主に観察されたのはアーバスキュラー菌根であった。また、室内実験により植物が生育する際の栄養条件によって、菌根形成も影響を受けることが明らかとなった。
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© 2009 日本菌学会
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