日本菌学会大会講演要旨集
日本菌学会第53回大会
セッションID: C7
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シラウオから分離されたAphanomyces属菌の新種について
*田熊 大祐
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抄録
シラウオから分離されたAphanomyces 属菌の新種について *田熊大祐1)・小林未歩子1)・鈴木志奈子1)・佐野文子2)・畑井喜司雄1) (1)日本獣医生命科学大学;2)千葉大・真菌センター) A new species of the genus Aphanomyces isolated from icefish, Salangichtys microdon by *D. TAKUMA1), M. KOBAYASHI1), S. SUZUKI1), A. SANO2), K. HATAI1), (1)Nippon Veterinary and Life Science Univ.; 2) Chiba Univ.) Aphanomyces 属菌は、卵菌網(Oomycetes)、ミズカビ目(Saprolegniales)、ミズカビ科(Saprolegniaceae)に分類され、魚類の水カビ病の原因となる菌種が含まれる。日本ではAphanomyces invadans(=piscicida)が養殖アユの真菌性肉芽腫症の原因菌として報告されている。また、A.stellatus、A.laevisなども魚類から分離されている。  演者らは、水族館で展示されているシラウオに水カビ病が発生して問題となっていたことから、その原因菌を検索した結果、原因菌はAphanomyces 属に分類される菌であると判定した。分離菌の形状は全て同一と判定されたことから無作為に選択したNJM 0801株の形態学的特徴および18Sr DNAの ITS領域の遺伝子解析を行った結果、これまでに未報告のAphanomyces 属菌に分類された。  NJM 0801株の造卵器は円形から楕円形を呈し、造卵器壁には不規則な乳頭状の突起が認められた。造卵器内には1個の卵胞子が形成され、その内部構造は亜中心位であった。造精枝の起源はアンドロギナス型が優占的で、造精枝の先端の造精器は造卵器に接着していた。   ITS領域を系統解析した結果、NJM 0801株は既知のAphanomyces 属菌とは別の系統群を形成した。以上のことから、シラウオ寄生菌は形態学的および分子系統解析の両面からAphanomyces 属菌の新種であると考えられた。
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© 2009 日本菌学会
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