抄録
前号に続いて、溶質—溶媒間相互作用の分布関数を基本変数として自由エネルギーを構築するエネルギー表示の方法を紹介する。松林のオリジナルのエネルギー表示のアプローチでは、溶液系と純溶媒系の分布関数は、それぞれ分子シミュレーションによって構築される。このように、溶質—溶媒のカップリングパラメータの変域の端点で分布関数を数値的に厳密に計算することがエネルギー表示の方法の1つの特徴である。これにより、自由エネルギーの近似的な汎関数における積分の精度が良くなる。本文では、溶液系と純溶媒系の分布関数によって、HNC やPY 近似が具体的にどのように表されるかを見る。また、空間分布関数に基づく溶液論と比較して、エネルギー分布関数による方法の利点を論ずる。