近年の世界的なオープンサイエンス(OS)の進展には,研究者個人だけでなく,大学や研究機関の取り組みが重要な役割を果たすことが指摘されている.国や地域単位でオープンな研究成果を集めた学術情報データベースから,機関のOS活動をモニタリングし,研究評価の改革にもつなげ得る機関向けダッシュボードが提供されはじめている.日本における,大学等の機関向けダッシュボードとその指標へのニーズを明らかにすることは,OSを促進し,機関におけるOSや研究評価改革活動の進展に資することが期待される.本研究では,国内大学等の図書館員とURAの2つのコミュニティ・計15名にインタビューを行い,質的分析により,機関内で現在用いられている指標群と今後利用意向のある指標群を明らかにした.さらに「指標」のみに注目した予備的分析として,抽出された指標にもとづいて,各コミュニティごとに求められる機関向けダッシュボードを構成し,その違いを明らかにした.