アンサンブル
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特集「初学者のための高分子シミュレーションの基礎(全原子 MD と粗視化 MD)」
粗視化 MD の強みを活かした高分子シミュレーション
―適用の可能性と現実系との対応のために―
森田 裕史小沢 拓
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2015 年 17 巻 3 号 p. 155-161

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抄録
分子動力学法を用いて高分子のダイナミクスを扱うには,空間・時間スケールの制約から全原子モデル(粒子が 1 つの原子を表現する)ではなく,粗視化モデル(粒子が原子団を表現する)が適用されることが多い.粗視化 MD シミュレーションの強みは,粗視化したことによる大きな規模の計算に適用できる点がその1つとして挙げられるが,逆に粗視化したために,現実との対応という観点から,粗視化粒子間のポテンシャルに問題点を残すこととなっている.本稿では,粗視化 MD の強み・弱みを踏まえた上でのシミュレーションの適用可能性について議論し,さらに現実系との対応を考える際の重要な点の1つとして,代表的なポテンシャルパラメータ推算方法を紹介する.
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© 2015 分子シミュレーション研究会
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