アンサンブル
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博士論文紹介
博士論文紹介「カーボンナノチューブ内の水-アルコール溶液に電場を加えた時の水の構造と分離効果」
Winarto
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2017 年 19 巻 2 号 p. 130-136

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抄録

カーボンナノチューブ(CNT)はナノ流体をベースとしたデバイスへの応用が期待されている.CNT 内での水の性質はバルクとは異なるため,そのようなデバイスを開発するにはCNT 内での水の性質をより深く理解する必要がある.ここでは,CNT 内の水分子に対する電場の影響を調べるため,分子動力学シミュレーションを行う.そして,電場によりエタノールまたはメタノールの水溶液の分離が生じることを示す.電場により水分子の双極子モーメントがそろってくるため,水分子は秩序だった構造を形成し,水分子間の静電相互作用が強くなり,CNT 内に水がいやすくなる.その結果,アルコール水溶液の分離が起こる.電場がない時には,アルコール分子がCNT 内を満たすようになる.この分離効果は,CNT の半径が小さい時に強くなる.一方,電場がある時には,静電相互作用はCNT の半径ではなく分子構造に依存するため,分離効果は半径の大きなCNT でも現れる.

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© 2017 分子シミュレーション研究会
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